KAGARI YUSUKE カガリユウスケ

追複

ぼくのからだには穴が空いている
それは誰にも見えない穴
見えないからだに空いた見えない穴
いつどこでなんで空いたかは分からない
生まれた時から空いていたような気もする
気づいたのは10代も終わりの頃
いろいろあって気がついた
あれ、空いているな?って

気づいたら何だか気になってしまう
出来たてのニキビみたいに気になって気になって
毎日毎日見えない手で見えない穴をふにふに触る
何なんだろう、これは?って
毎日毎日穴のことを考えていたら、色んなものが穴に似て見える

夜の駐車場
山間に突然現れる遺跡みたいに巨大な高速道路
コピペみたいにデジャビュな国道沿いの風景
田舎町に不似合いな綺麗なビル 廃れた場所
人のいない都市
壁、壁、壁、壁…

ぼくはそれらが好きになる
だってそれはぼくのからだに空いた穴にとってもよく似ているのだから
ぼくは、ぼくなりのやり方でそれらの風景を再現しようとする
した
し続けた
10年。うそ。もっと長い。

手で風景を反復する
反復反復反復
続ける続ける続ける
壁壁壁

いつの間にかそれがぼくの日常になる
日常は強い
日常は怖い
日常は反復でつくられる
反復は反復を反復する

ぼくは毎朝わくわくしながら目を覚ます
今日は何をつくろう
今日も何かをつくれる
どんな服を着てつくろう
どんな気分でつくろうって
ぼくはずっとつくり続ける

それというのも、ぜんぶ穴のせいなんです
それが特に珍しいことじゃないのは分かっているけどさ

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